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本文へジャンプ 平成19年1月1日 
             

 



― 閑 話 休 題 (症例編 6) ―

 症例6) 面白い胃ポリープ  

某年 3月、 1人の女性が、胃のもたれを主訴に受診しました。

上部消化管内視鏡検査を施行しました。


内視鏡写真の結果です。 十二指腸に陥屯したポリープのシャッターチャンスがありました。 
ポリペクトミーが施行できる医療機関に紹介しました。
組織は勿論、良性の過形成性ポリープでした。
切除後、症状は軽快しました。

写真は、右の2段目ですが、こちらからも拡大写真を見ることができます。

 こちらをクリックしてください。 → (陥屯前)  (陥屯後)

胃ポリープ の解説

胃のポリープはよくみられるもので、たいていは、良性の炎症性ポリープか、胃底腺ポリープです。
2-3 mm程度のポリープは、組織を採取する生検鉗子で、摘めば、かじりとることができますが、5mm 以上になりますと生検のみでは残存します。

10mm程度のポリープでも、悪性化することはほとんどありませんので、そのまま経過観察されることが多いです。

炎症性のポリープは自然消退することもありますが、10mmを超えると炎症性でも、自然に消失することは、困難です。

ある程度の大きさの胃ポリープを切除するためには、ポリペクトミーが必要です。

ポリペクトミーは、ポリープの根元にワイヤーをかけて縛り、電気を通して焼き切る方法です。
切り取られた場所は、浅い潰瘍ができますので、術後にクリップで止血したり、経過を見るために入院したりします。

よく上部消化管内視鏡検査の際に、「ポリープができていたので、とりました。」と説明を受ける方がいらっしゃいますが、それは厳密なポリペクトミーではなく、とらなくても良いような小さなポリープを生検鉗子で、かじり採ったに過ぎません。


さて、当院でも、上部消化管内視鏡検査を施行すれば、3人に1人ぐらいは、ポリープが見つかります。

明らかに胃底腺ポリープとわかるようなものは、生検しません。

癌と紛らわしいもの、癌の存在が疑われるもの、大きなポリープは、念のため、生検を行います。

切除した方がよいと思われるポリープに対しては、他の病診連携病院で、ポリペクトミーを依頼します。

胃ポリープ の説明

〔概念〕

ポリープとは胃内腔へ突出した病変の総称で、通常は癌を除いたものをいう。
組織学的に過形成性ポリープ (腺窩上皮性,幽門腺性,胃底腺性) と胃腺腫に分けられる。
胃腺腫は、腫瘍性の病変で、良性と悪性の境界領域の病変と考える。
臨床上は、過形成性ポリープを背景胃粘膜の違いから、狭義の過形成性ポリープ(腺窩上皮性,幽門腺性) と,胃底腺の過形成からなる胃底腺ポリープに分けて考える。
胃底腺ポリープに胃癌が併存することはない。

〔症状〕

胃ポリープに特有な自覚症状はない.
過形成性ポリープや胃腺腫は萎縮性胃炎を有する胃に併存するので、萎縮性胃炎に伴う症状(腹満感,胃の重い感じなど) を伴うことがある。
胃底腺ポリープは胃粘膜萎縮を伴わないため、胃酸過多症状(胸やけ,腹痛など)を伴うことがある。

〔合併症〕

出血: ポリープ表面からの出血をみることがあり、貧血の原因となる。
閉塞: ポリープが幽門輪から脱出して十二指腸球部に嵌頓することがある。
癌化: 過形成性ポリープは稀に癌化することがある。 胃腺腫には高率に腺腫内癌がみられる.

〔治療〕

ほとんどは、放置して、経過観察を行う。
合併症のあるものは、内視鏡で、ポリペクトミー、EMR(粘膜下切除術)などで、切除を行う。
切れ端に、癌が認められたり、悪性度の強すぎる癌が発見されれば、手術を行うこともある。

〔予後〕

通常は良好で、胃腺腫から癌になる例でも進行は遅い場合が多い。

〔参考文献〕 今日の診療プレミアム Vol.15 




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胃底腺ポリープ